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大腸がんは、早期発見で根治可能な病気です。

 

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Q.大腸がんとはどんな病気ですか?

大腸は消化吸収が行われた食べ物の最終処理をする消化管で、主に水分を吸収します。
長さは約1.8mで口側から肛門側に盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸に分けられます。この部位に悪性腫瘍が発生した場合に大腸がんと呼びます。

Q.原因はありますか?

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大腸がんの発生原因はまだわかっていませんが、疫学研究から生活様式と強く関係していることが明らかになってきています。つまり、欧米食の特徴である高脂肪、高蛋白かつ低繊維成分の食事は大腸がんになりやすいと言われています。

Q.予防方法はありますか?

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がんの予防方法とは、その発生自体を防ぐ「一次予防」と、がんを早期に発見・治療することにより、がんによる死亡を防ぐ「二次予防」に分けることができます。
一次予防に関しては、先に述べたがんになりやすい食生活に注意することなどですが、確実に予防できると証明された生活習慣はまだありません。
がん検診が二次予防になります。

Q.がん発生のメカニズムは?

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大腸がんは腺腫(一般的な大腸ポリープ)からがんが発生するものと、腺腫を介さず直接粘膜からがんが発生するものが考えられています。遺伝子学的解析では、一つの遺伝子の異常でなく、多くの遺伝子の異常の蓄積によりがんが発生することがわかっています。

Q.大腸がんの頻度は?
大腸がんにかかる人は40歳から年を重ねるにつれて増えています。

日本で1年間に新たに大腸がんと診断された人数(罹患数)は、2010年では男性は約7万人、女性は約5万人であり、毎年約6万人が罹患し、胃がんを追い抜くのは時間の問題といわれています。
臓器別では、大腸がんは男性では3番目に、女性では2番目に多いがんです。
日本人10万人あたりで、がんになるのは何人なのかを示した割合(罹患率)を年齢別にみると、大腸がんにかかる人は40歳から年を重ねるにつれて増えています。「がん・統計白書」によれば、2015年から2019年までに大腸がんになる人の割合(有病率)は、男性が25万4900人、女性が18万4800人となり、大腸がんによって死亡する人は、男性が2万5800人、女性が2万1900人になると予測されています。
厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」によると、平成25年1年間の死亡数のうちトップは悪性新生物(いわゆる“がん”)で、死亡者数36万4872人で総死亡数の28.8パーセントを占めています。大腸がん(結腸がんと直腸S状結移行部および直腸がんの合計)による死亡数は4万7654人でした。性別でみると、男性は2万5808人、女性は2万1846人でした。


臓器別がん罹患数

臓器別がん死亡者数


大腸がんの年齢別臓器別がん罹患率

Q.どういう症状がありますか?

早期の大腸がんではほとんど自覚症状はなく、大腸がん検診や人間ドックなどの便潜血検査でみつかることがほとんどです。進行した大腸がんでは、腫瘍の大きさや存在部位で症状が違ってきます。

  • 右側大腸がん
    腸管の管腔が広くかつ内容物が液状のために症状が出にくく、症状があっても軽い腹痛や腹部の違和感などです。かなり大きくなってから腹部のしこりとして触れたり、原因不明の貧血や体重減少の検査で発見されることもあります。
  • 左側大腸がん
    比較的早期から便に血が混ざっていたり、血の塊が出たりする症状がみられます。管腔が狭く内容物も固まっているため、通過障害による腹痛、便が細くなる、残便感、便秘と下痢を繰り返すなどの症状が現れ、放っておけば完全に管腔がふさがって便もガスも出なくなり、腸閉塞と呼ばれる状態になります。
  • 直腸がん
    左側大腸がんとほとんど同様の症状がみられますが、肛門に近いために痔と間違えられるような出血があり、痔と思われて放置されることもあります。また、直腸がんでは近接している膀胱や子宮に浸潤すると、排尿障害や血尿、膣から便が出たりするなどの症状がみられることもあります。

日本人の大腸がんの発生率は、直腸が35%でもっとも多く、次いでS状結腸の34%、上行結腸で11%、横行結腸で9%、盲腸で6%、下行結腸で5%となっています。

Q.どのような検査で診断されますか?
  • 便潜血検査
    がんやポリープなどの大腸疾患があると、大腸内に出血することがあります。
    この検査は、その血液を免疫学的な反応で調べます。
    食事制限なく簡単に受けられ、身体に負担のない検査ですが、陽性と出ても必ず大腸がんがあるわけではなく、逆に進行した大腸がんであっても陰性になることもあります。
  • 直腸診
    直腸がんでは肛門から指を入れて触るだけで診断できることもあります。
    肛門からその医師の指の届く範囲数センチのところまでしか診断できません。
  • 画像検査
    食事制限と下剤により大腸を空っぽにして、肛門から造影剤を入れて空気で大腸をふくらましX線写真を撮る注腸検査と、下剤で大腸を洗浄し肛門から内視鏡を挿入して直接大腸の内腔を観察する内視鏡検査があります。
    内視鏡検査は挿入技術の進歩と器械技術の進歩により、苦痛も少なくかつ安全にできるようになっています。直接大腸の内側を観察し、異常があれば一部をつまみ取って顕微鏡で悪性かどうかを調べます(生検)。また、がんの進行度によっては、周囲の臓器への広がりや肝臓やリンパ節への転移の有無を調べるために腹部の超音波やCT、MRI、超音波内視鏡検査を行うこともあります。
    また、コンピューターの情報処理能力の進歩に伴って、大腸をガスで膨らませ、肛門からカメラを入れ込むことなく、大腸部分を精密な3次元CT画像として、大腸を映し出すこともできるようになりました。
  • 血液検査
    癌胎児性抗原(CEA)など、腫瘍マーカーを計測することで進行がんの存在を推定することができることもありますが、ほとんどが進行がんでしか陽性にならないことが問題点です。
    最終診断は、生検で組織を取ってきて、顕微鏡で診断をする必要があります。
Q.どういう治療がありますか?
大腸がんの治療の原則は、がんを切除することです。
  • 内視鏡治療
    大腸の壁は内腔側より粘膜固有層、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜となっています。
    がんが粘膜下層までにとどまっているものを早期がんといいますが、早期がんのなかでも粘膜下層の浅いところまでであれば転移の心配はなく、内視鏡での治療が可能です。最近では、内視鏡治療である粘膜下層剥離術が発達し、従来の内視鏡での治療が困難な早期のがんにも行えるようになっています。

内視鏡治療

治療

治療

 

 

  • 外科手術
    リンパ節転移の可能性があり内視鏡治療ができない進行したがんでは、外科手術が必要です。手術では開腹し、腫瘍を含めた大腸の一部を切除してリンパ節の郭清(きれいに取り除く)を行い、残った腸を吻合(つなぎ合わせる)します。また最近では、小さな傷で手術ができる腹腔鏡を用いた治療が急速に普及してきており、早期がんばかりではなく隣接臓器に浸潤していない進行がんに対しても行われるようになってきています。
  • 経肛門的手術
    肛門に近いところにできた早期の直腸がんでは経肛門的手術を行います。
    進行した直腸がんでは、肛門から離れている場合には肛門の筋肉から温存できる低位前方術が行われ、最近ではさらに、術後の性機能や排尿機能を温存するように必要最低限の手術が行われています。それ以外では人工肛門が必要なマイルス法で手術が行われます。
    人工肛門もさまざまな装具が開発されており、普通に社会生活が送れるようになっています。
  • 化学療法、放射線治療、免疫療法
    がんが広がりすぎていて切除不能な場合には、抗がん剤を用いた化学療法、放射線治療、免疫療法などが行われます。

 

他の悪性腫瘍と異なり、大腸や胃などの管腔臓器の癌は、癌による消化管閉塞(腸閉塞)・出血を生じることが多く、遠隔転移等も認める進行癌であっても、比較的全身状態良好なうちに食事摂取困難となる場合も多くあり、根治的でなく、対症療法的に原発巣切除・バイパス術などが行われることもあります。

Q.予後はどうですか?
早期大腸がんの5年生存率は80%以上と極めてよい結果です。

大腸がんは早期に発見できればそのほとんどが内視鏡的に、または外科的に根治可能な病気です。早期大腸がんの5年生存率は80%以上と極めてよく、進行がんでもがんの浸潤の程度とリンパ節転移の程度により予後が変わってきます。また、大腸がんは肝臓にいちばん転移しやすいのですが、肝臓転移が見つかっても、肝臓を手術したり抗がん薬を注入したりして長期に生存することも可能です。

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